なぜメーカー優先が重要なのか
Hyperliquidではテイカーが流動性を取り手数料を払い、メーカーは指値を置いて手数料ゼロまたはリベート側になることが多いです。スキャルパーやシステムトレーダーにとって、「いつも成行」と「できるだけメーカー」の差は、戦略が出血するか複利になるかの差になります。
料率表そのものはテイカー vs メーカー手数料ガイドを参照し、本稿は執行プレイブックに集中します。
基本思想:流動性を売り、忍耐を買う
メーカー戦略は即時性を捨て、指値に戻ってこないリスクを管理する代わりに、スプレッドを跨ぐコストを避けます。BTC/ETHのような流動性の厚い銘柄では、最良気配付近の忍耐強い指値が日中売買やグリッド系を支えられます。
リベート戦略の構成要素
1. ポストオンリーを優先
可能なときはポストオンリー系の指値を使い、誤ってクロスしてテイカーになる事故を防ぎます。詳細はポストオンリー戦略も参照。
2. スプレッド内改善はエッジがあるときだけ
最良気配を改善すると約定率は上がりますが平均価格は悪化します。方向観や在庫解消があるときだけ攻撃的に。毎回ブラインドで最良に乗るのは戦略ではありません。
3. サイズはキューを意識
届かない巨大サイズは意味が薄いです。時間内に埋まり得るサイズで、複数価格に分散(小さなラダー)します。
4. 在庫と保有時間に上限
未約定・部分約定もポジション候補です。最大ネットデルタ、最大保有時間、板に突っ込まされたときのハードストップを先に決めます。リベートは一方的なトレンド負けを補償しません。
セッションテンプレート
- 銘柄は1〜2(主にBTC/ETH)
- バイアス(中立MM/軽いロング在庫/軽いショート在庫)を定義
- ミッドから固定オフセットで3〜5本のラダー
- 約定後のストップを必ず用意
- 毎時:メーカー比率、対ミッドのエッジ、誤テイカー手数料を確認
- 重要イベント前はフラットまたは減額
それでもテイカーすべき場面
- ストップが必要で指値待ちが損失を拡大するとき
- ブレイクアウトで即時エクスポージャーが必要でスプレッドがまだ狭いとき
- 他会場のヘッジで遅延リスクが手数料節約を上回るとき
避けられないテイカーにはHOLYGRAILを適用。手数料最小化の別会場としてLighterを併用する考え方はゼロテイカー手数料スキャルプも参考になります。
幻想抜きの損益分解
- スプレッド捕捉/逆選択(約定後の値動き)
- 手数料とリベート(紹介割引後)
- ファンディング
リベートだけ見てマークアウトが常に悪いなら、見積もりを広げるか有毒な流れへのクォートを止めます。
メーカー特有のリスク管理
- 切断時のキャンセル方針
- 在庫に応じたクォートのスキュー
- 指標発表前後の見送り
- BTCとETHの同時ロングは実質一つのベット
- 週末は厚みが減るのでサイズ縮小(週末戦略)
ボットと手動
学習と低頻度は手動で十分。多段管理とキャンセル速度はボットが有利です。自動化するなら読取→ペーパー→極少額の順。API鍵は出金権限なし。API鍵セキュリティを守ってください。
公開前チェック
- 料率理解とHOLYGRAIL適用
- ポストオンリー練習済み
- 最大在庫と日次損失上限を文書化
- 約定後ストップ用意
- ジャーナル項目:メーカー%、平均エッジ、ファンディング、純手数料
メーカーリベートはコスト優位でありマネー打印机ではありません。選択的な攻撃性、厳格な在庫上限、正直なマークアウト計測と組み合わせて初めて持続するエッジになります。